次の棲家
心機一転、池袋近郊から離れ、日暮里・谷中に引っ越してきて2週間経つ。
いま、新たに必要とわかった小物を選びに、電車に乗って出かけているところだ。これで、おそらく最後の買い物になるはず。
ようやく、新しい棲家が完成する。
これまで高校卒業後に上京して以来、練馬にはじまり、杉並、小平、墨田、板橋、豊島、そして新たに台東と、都内を西に東に転々としてきた。
過去はいずれも、入学・入社だったり、結婚だったりと、必要に迫られての転居だったが、今回は違う。
今回”必要のない”引っ越しをすることにしたのは、いくつかのふんわりとした理由があるのだが、その1つが、皆が集まれる場所にしたい、というものだ。
谷中の徒歩圏内に母校があり、演奏家や作曲家がたくさんいて、彼ら若い在校生や(なんだかんだで)卒業生も、上野なら行きやすいというひとが多い。
もちろん、それによって個人的には事務作業やミーティングがやりやすくなるという利点もあるが、もう1つ大切な狙いがある。
それは、たとえすぐに僕らの事業に繋がらなくても、演奏家どうし、作曲家どうし、演奏家や作曲家、その他にもいろんな分野の人たちが出会い、具体的な交流やプロジェクトが動くきっかけとなるような場にしたい、ということだ。
特にクラシック音楽や現代音楽分野が力を持ち、他の芸術や産業をインスパイアできるほどの力を持つためには、新しい取り組みやそのベースとなる出会い、意見交換が圧倒的に足りていないと思うのだ。
そのための基盤を、(会社としては事業という形で、)個人としてはゆるやかでフランクな《場》という形で用意したいと思っている。
ということで、月に数回、谷中でパーティーできたらいいですな、と思っているところ。
実は大学時代に上野に通っていたにも関わらず谷中の街をちゃんと散歩したのが去年の秋だった。
その時は、よい街だな、程度にしか考えていなかったのだが、その数ヶ月後にはそこに引っ越すことに。
そういえば過去も、たいてい重要な決定は、分かりやすい理由もなく、ふんわりと積み重なるようにつくられていくものだった。
そして、そういうときは必ず後悔がなかった。
今回は、そんな決定と行動だったと直感している。
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